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2012/06/28

[Review] Entrances and Exits

Entrances and Exits
Paul Ruditis


::本の紹介のページ::

(ネタバレ注意)





うっかり、
どうしてなのか、
4部作のこのシリーズの1冊目読んだ後に、少々他の本を色々読んでブランクが空いた後、『なぜか』4冊目を2冊目だと思い手に入れ読んだバカです(笑)

結論から言うと、1冊目から4冊目に急に飛んだとしても問題無く読めます(笑)

続き物の本でも前作と次の間にブランクが空いてる本っていうのは、たまに見かけるのでそういうノリかと思って読んでいたら、半分以上過ぎた辺りでそういうノリ(作品構成)じゃなくマジに2冊分の間が抜けてたっていう文字通り抜けてるオチなのに気付きちょっと突っ伏してしまいました(文字通りの間抜け、ってやつです、ハイ。笑)


1冊目も楽しかったんですが、4冊目は凄い個人的に好きでした。
最終巻というのもあるんでしょうが、一冊目は語り部的な役割を担ってちょっと一歩退きつつなポジションだった主人公のブライアンは舞台監督に抜擢されいよいよスポットが当たり、シリーズタイトル通り『DRAMA!』なフィナーレ。そう、主人公はブライアンだったってなる、ブライアンのターンっていう最終巻でした(笑。とはいえ1作目と今作しか読んでないわけで間が誰のターンなのかは謎のままではあるんだけど……)

1作目の劇の役を賭けた女優たちのサスペンスの香りがするちょっとスキャンダラスなドラマ展開ではなく、いい劇にしようと劇の舞台裏で頑張り、トラブルが発生し、奮闘し、な俳優達と舞台裏陣たちの人間ドラマだった今作の方が個人的にはとても好みでした。

そして、最終巻のここにきてまさかのBL展開にビックリ(笑)
まぁ、『主人公』のブライアンがゲイなので自然な流れなんですが。
よく著者の本を見てみればQueer As Folk(アメリカのゲイドラマ)のガイドブックなんかも出版してる著者っていうのが判明して、どこか納得。(他にもBonesとか色々出してますが。)
しかし、その恋愛模様もとてもよかったです。

なので、4冊目ではあるんですが4冊目からでも十分読める内容なので(間2冊飛ばした人がココにいるし。笑)、英語はさほど難しくないので、洋書に興味あるコミカルな学園YAモノとほのぼのBLが好きな女子にオススメです。





ここからは、とてもネタバレになるんですが、


私のこの作品での一番のお気に入りのキャラはゴス(チック)ガールのホープのボーイフレンドだったドリューでした。
今作でかなり登場して立ち回ってくれて凄く嬉しかったです。
ただのサッカー少年としか印象になかった彼が天才的な絵の才能の持ち主だったとは予想だにしていなかったし、ブライアンとの仲が戻って行く様子がこっちまで嬉しくなってしまったくらいよかった。
そして、実は、ブライアンとくっつかないかな、と1冊目からもやっと思ってたので、最後のドラマチックな展開に大喜びしてしまいました(笑)
ただ回想で語っていた彼らのファーストキスがラストのキスシーンを霞ませるくらいロマンチックだったのがちょっとだけ惜しい(笑)
彼ら(ブライアンとドリュー)のその後日談が非常に知りたいんですが、これが最終巻で続きが無いんですよね…すごく悔しい(笑)


予想外なBL展開と、劇の裏側の奮闘記、そして卒業という時期がちらつくフィナーレ感が開放感と不安感を纏わせる演劇オタクたちの青春ドラマ!っていう今作、とても楽しかったです。


2011/11/03

[Review] Crescendo

Crescendo
Becca Fitzpatrick


::本の紹介::


やっとチビチビ読んでた本が読み終わったわ。

以前読んでた堕天使恋愛モノYA小説の『Hush, Hush』の続編『Crescendo』。

感想は、
ちょこちょこネタバレするので、ダメな人は気をつけて。というか読まないことオススメします。




さて、感想はといえば、
1冊目よりもさらに少し関係が発展して複雑化してるし、シリアスになって緊迫感あるストーリーなのに、ちびちび読んでたせいか、イマイチ盛り上がらなくて(アタシのテンションが)イマイチな印象でした。
1冊目は犯人が誰かわかってるし展開も読めてるんだけど、それでも面白く感じていたんだけど、今回も途中からなんだか話が読めてしまってるんだけど、面白いってほどではなく。
出だしからノラとパッチが別れる、とかいう大きく話が少し意外な展開を見せるし、終始危険が潜んでる状況は緊迫感はあるんだけど、それに対してや話に引込まれるっていうことは無かったんだよね。最後の方のノラの出生に関わる衝撃的事実もそこまで衝撃できじゃなく。
何度も言うけど、ちびちび読んでたせいかもしれないけど。

そして、終始マーシーの意地悪すぎな嫌な女っぷりとパッチのYesともNoともとれないはっきりしないフラフラかげんと、この2人組にイライラしてしょうがない巻だった。
マーシーがもう、嫌な女すぎる。
後にその嫌味すぎる原因がわかったとしても嫌な女すぎるんだけど、それはそれで一本筋が通った感じがあったから、最後にちょっとそこまで嫌な女じゃないんだよっていうヨイショは入れないで欲しかったのがアタシの意見かな。もう徹底的に嫌なビッチでいいじゃん、みたいな。仮にも学園モノ小説なわけだし、学園モノ映画のよくありがちなQueen Beeをズバァッと斬るというか最後見返して爽快に終るみたいなお約束な感じをだな…(語り始めそうなので強制終了。笑)

そして、今作はフラフラパッチと同じようにフラフラしてる巻でした。
最後は
『次回にぃ、つづく!!』
っていう終り方でズッこけた(笑)
次読ませるには最もいい終り方なんだろうけど、これがドラマだったら確実に
『前回までの●●は……』
っていうので始まるパターンの終り方って言ったらわかると思うけど、そうなのよ。
次回に持ち越し前提で話が進んでるからなんだろうけど、なんか問題は全部解決するわけじゃないというか未解決や気になる点が多すぎるしスッキリしないまま終っててもやもやしてしまう巻。


しかし、トワイライターとその予備軍の女子をターゲットにした小説なので、さすがフォロワーって思わせるような2冊目の話の展開にちょっとガッカリしたのは確か。ほら、トワイライトの2冊目も、2人の関係がギクシャクするじゃん。きっと、他のターゲット層ドストライクな読者にはきっと求めてたものが得られたって感覚があったのかもしれないけど。
新しくノラの幼なじみ(?)だったっていうスコットっていう男子が登場するんだけど、これが3角関係……未遂に終るっていうのは、ちょっと違った点かもしれないけど。
後半部分にさしかかってから知ったけど、この著者は元々トワイライトのファン小説書いてた人なんだとかなんとか(日本で言う同人小説的な。BLじゃなくて二次創作小説ってヤツ)。なんかちょっと納得。

今作というか、このシリーズの中ではこのスコット少年がアタシのお気に入りキャラ。なんだけど、トワイライトじゃジェイコブの方が好きだし、無謀な横恋慕かちょっとサブキャラポジションの匂いがするキャラが好きなのかも(笑)
しかし、このスコット少年、彼は巻き込まれて不死身とはいえ最後銃で打たれまくってなんだか終始可愛そうでしょうがなかったんだけど(笑)未解決が多くて、これだけのために出て来たキャラじゃなさそうな彼は次回キーパーソンになったりするんじゃないかと踏んでるのでさらに気になるところなんだけど。

次巻『Silence』が最終巻、完結巻なんだけど、
今作がちょっと期待はずれと言うかビミョ~なかんじがあったから、凄い読むかどうか迷ってるところです。
ここまで来たんなら読むっきゃないだろうとは思うんだけど。

そして、1冊目が『黒衣の天使と危険な恋』っていうタイトルで翻訳出版されてるこのシリーズ。
このタイトルの次は一体、どうするんだろうっていうのがちょっと気になる。
たぶん、きっと続編も翻訳出版されるんだろうけど。

2011/08/29

Prom Nights from Hell

Prom Nights from Hell
Stephenie Meyer/ Kim Harrison/ Meg Cabot/ Lauren Myracle/ Michele Jaffe


Five amazing authors.


Five unforgettable stories.


In this exciting collection of paranormal tales, best-selling authors Stephenie Meyer (Twilight), Kim Harrison (Once Dead, Twice Shy), Meg Cabot (How to Be Popular), Lauren Myracle (ttyl), and Michele Jaffe (Bad Kitty) take prom mishaps to a whole new level—a truly hellish level. Wardrobe malfunctions and two left feet don't hold a candle to discovering your date is the Grim Reaper—and he isn't here to tell you how hot you look.


From angels fighting demons to a twisted take on getting what you wish for, these five stories will entertain better than any DJ in a bad tux can. No corsage or limo rental necessary. Just good, creepy fun.


5人の著者によるパラノーマルロマンスもの短編オムニバスシリーズの1冊。
プロム編。

2011/08/17

[Review] The Chronicles of Vladimir Tod: Eighth Grade Bites

The Chronicles of Vladimir Tod:
Eighth Grade Bites
Heather Brewer

::本の紹介::



悩み多きハーフヴァンパイアのティーンエイジャーVladの憂鬱な学校生活。』


180ページほどの薄い本なのに、中身がぎゅっと詰まっていて面白かったです。何よりも、Vladがカワイイんです。
文章は、基本Vlad視点の3人称。たまにVlad以外の3人称と彼の父親の1人称の日記が挟まってます。


8年生のVladは、数年前に火災事故で両親を亡くし、今はNellyおばさんと2人暮らし。
亡くなった彼の父親はヴァンパイアで、彼の母は人間で彼はハーフヴァンパイア。
父親のヴァンパイアの性質を強くひいてる彼は、外に出て行く時は日焼け止めがかかせないし、致命的なニンニクアレルギーだし、何よりも普通の人間の食べ物は彼には何の意味も無く血を飲まないと生きて行けなくて、看護士のNellyおばさんが病院からくすねてくる輸血パックが唯一の食料だったりする。
ヴァンパイアという正体を隠さないといけない彼は、ランチに隠れて血を接種しなければならないし、うっかり伸びてきた牙を隠さないといけない時があったり、
それだけじゃなく、いじめっ子2人組にゴスボーイって言って毎日のように絡まれるし、友達のように親しかったCraig先生の謎の失踪からしばらく経つし、密かに想いを寄せる美人Meradithには話しかける勇気も無く、それどころか彼女はNellyおばさん以外で唯一彼の正体を知ってる彼の親友のモテるHenryの方が好きみたいだし、と悩みは絶えず。
そんな中、行方不明のCraig先生の代わりに臨時教師として英語の授業を担当することになったOtis先生は、授業で狼男やヴァンパイアのような空想上の生き物について教えるというシルクハットを冠り自分のことを探るような目をした怪しさ満点な教師で、Craig先生を知ってるような知らないような態度に彼が先生の失踪に関わってるのではと疑問を持ち、さらにVladの悩みは急増。
そして、うろつくヴァンパイアの殺し屋、両親の事故の謎。
怪しいOtis先生は一体何者なのか、Craig先生は見つかるのか、Meredithに声をかけることができるのか、そんなVladの学校生活。


の、話でした。
冷血非道で人間を食料としか見てないヴァンパイアでもなく、人間の血は吸わず動物の血だけで生きてるんだなんていうヴァンパイアでもなく、がっつり人間の血を飲んでるけど女の子に話しかけるのすらシャイでできない『非人気者』ポジションのハーフヴァンパイアのVlad。暗い過去を抱えつつ、『非人気者』ポジションだからか、応援したくなります。
シリアスになりがちなほど、あんまりハッピーじゃないVladを取り巻く環境なんだけど、ヴァンパイアだけど普通のティーンならではの悩みに悩んでる姿や、どこかヘタレっぽいところに思わず笑ってしまい、軽快に話が進んで行きます。
また親友のHenryもなかなかいいキャラしてるんだ。「昔、噛んでごめんな」って言うVladに「いいよ別に。」と返すサッパリさ(笑)まぁ気にしてたら親友やめてただろうけど。他はピリピリしてるのに緊張感無く車で寝てるし(笑)

話は後半で畳み掛けるようにスピードアップし、ちょっと意外な展開を見せ一気にラストまで走りきる。2度くらい予想を裏切られてビックリだったわ。
そして次回(9年生編)へ〜続く!みたいな。一番最後の下りは、ティーンズ向け映画のラストにありそうな、パッパッパッと短いショットが続いて最後シュバッとズーム的な映像が思い浮かんで、すごく好きだった。



この物語の著者は、ゴスレディーのHether Brewer。
この本の最初にこうある。

『この作品を夫のポールと、(理由はスティーヴンキングが知ってるわ)
そして、アメリカの小さな町に住むすべての非人気者の子供達に捧げます』

彼女はアメリカの小さな田舎町に育ち、その頃からゴスガールだったそう。そして、Vladのように学校で変わり者扱いされいじめられて、まさに生き地獄のようだったとか。
Vladを介して、『非人気者』ポジションにしかわからない部分を大いに共感できるはず。
この本は、彼女のように、そしてVladのように『非人気者』のポジションの子たち(子だった人たち)に捧げる作品なのです。

2011/08/13

ハイスクール USA ~アメリカ学園映画のすべて~


イスクール USA ~アメリカ学園映画のすべて
長谷川 町蔵
山崎 まどか




いやぁ、ほんっっっとうにマニアックな本でした(笑)

ほら、あの廊下にズラーっと並ぶロッカーに、スカジャン来たアメフト部のやつに、金髪のビッチなチアリーダーに、眼鏡でヒョロいオタクに……っていう映画の網羅本。

いかに、こんな映画とそしてお約束みたいな展開やキャラ設定が出来上がったかという歴史を対談形式で語り、映画を紹介しつつ、注釈やコラムにてその時代背景や当時の社会事情、学校内部事情、俳優背景、映画の裏話などなどから宗教、スポーツ、音楽なんかの米国文化まで引っ張り出して2人の著者が対談形式で解説しまくってる詳しすぎる本。
対談形式だからか、ちょっと昔のファンブックとか、同人誌とか、そんな『通』な雰囲気がするのがまた、この辺確信犯なんだろうな。

昔、アート系の洋書中心に充実してた大きな本屋で見つけてずっと気になっていた本だったんだけど、その本屋が無くなってしばらくの間忘れていたんだけど、最近になって思い出して読んだ本。

それほどの期待を持って読み始めたわけではなかったんだけど、読み始めるや、期待どころか、なんだこれ!?っていうほどマニアックでちょっと感激。
ジョンヒューズ作品から現代の学園モノ映画(ただし05年まで)まで取り上げていて、無意識に学園モノを好んで見てた私にとって、これ見たことある、あれも、それも、といったかんじで。
ジョンヒューズ作品が好きなんだけど、もはや80年代の映画は古い一昔前の映画認定になりつつある私の年代の人たちは見る人が少ないわけで、話せる人も少ないから、対談形式になってジョンヒューズについて語ってる文章を見ただけでどこか嬉しく感じたり。

ずっと日本の学校にいた20代の私にはなかなか詳しくなれない時代背景やストーリーの舞台設定、おなじみキャラ設定の紀元なんかが知れる凄く勉強になる本で、
すでに見ていて、中には何度も見てる映画の後ろ側を知って新たな視点が生まれるなんていう驚きもあった。
プリティインピンクの最初ラストは今の映画のラストとは違うラストになるはずだったなんて!!

ある程度ここに紹介されてる映画を見てる人向きの本。
入門として読むのもいいかもしれないけど、対談形式の解説文章でネタバレしてる場合が多々あるから。

それに、映画紹介とはいえ対談形式を軸にして進めてるのもあってか注釈や紹介文も自由でイチ学園モノ映画好きによる説明ってかんじなので随所随所で思わず笑ってしまったのは私だけではないはず。
ホラー映画のお約束パターンは思いっきり笑った。
プリンセスダイアリーズのフォロワー映画についての、プリンセスダイアリーズのテンプレ映画紹介文にも毎度笑った。言われればとなったけど、そのテンプレで紹介できてしまうっていうのに気付かされたのが一番ツボだった。
他にも本当に読んでて笑ってばっかり。

コラムに紹介されてたピーナッツの作品をベースにしたオフブロードウェイ作品のDog Sees Godが気になって、捜して見て、あんまりな話にラスト涙してたり。(そのことは過去のブログに2編に渡りバッチリ書いてる通り/1編目2編目

そして、
ルゴシ作品など見てるのが教養とされてるが見てる者は少ない。とりあえずティムバートン作品を見ていればオッケーだろう。
ってするどい断言をしてる『ゴスとは』コラムにビックリ。
ハイ!見ないといけないって思ってるのに見てない指摘通りのゴス女がここにいます(笑)
そうなのよーハマーフィルムは見てないといけない決まり事みたいな暗黙の了解が存在してるんだけどさ…。
それをビシッと書いてる長谷川さんがすごいです。
それに負けないビシッと感の山崎さんのコラムも鋭いんですよ。ええ。びっくりします。

とにかく、すごくマニアックで、すごく参考になる日本で唯一の学園モノ映画についての本です。
読んでよかった。
学園映画好きの人は必読な一冊。

あと5年後くらいにまた1冊2作目っていって出して欲しい、なぁ。
これ06年出版で、05年までの作品を取り上げてるから、それ以降に登場した映画は紹介されてないんだよね。
それ以降に登場した学園映画で、ティーンを熱狂させた『ハイスクールミュージカル』っていう学園映画にミュージカルを持ち込んだ映画が登場したり、後にドラマでは『Glee』とかも出て来るわけで、常にお約束は守りつつ進化し続けてるから。

それにしても、
おもしろかったです。
ありがとう、長谷川さん、山崎さん!!

2011/07/30

Jinx


Jinx

Meg Cabot

翻訳版:
ジンクス 恋の呪い








メグキャボットの魔女もの作品。
悪運最強なジーンはある理由からニューヨークの親戚の家でお世話になることに。
向かった先で、ジーンは昔とは全く違う外見になってしまった親戚のトーリーと再会する。彼女は黒髪に黒ずくめに目の周りが濃いメイクでヒールの厚いブーツをはいてるという出で立ち(翻訳の文章内には一言も『ゴス』とは出て来てないけど、ゴスっ子ですよね明らかに。)。
家に到着して早々、長年の最強な悪運に見舞わた勘によりトーリーの友達の命を救ったことで、魔女だという秘密をトーリーから打ち明けられるジーン。そして、トーリーに見せられた一体の人形がことの始まりだった。

といったかんじで話が展開して行くんですが、軽いです。本の重量じゃなくて、軽いです。さら〜っと読んで終わりってかんじの本でした(アタシは)。
トーリーの頭イッてる度とか半端無くて狂気じみていて怖いし、ニューヨークのイーストヴィレッジに本当にそういう店あるよねぇとか思いながら読んでるのは楽しかったんですが、予想を裏切らない展開と、なんというかホイと投げられた感じのトーリーが可哀想でなんだか簡単に済まされてる所が『軽い』って感じたのかもしれません。

マジカルファンタジックなかんじも、魔術的、なかんじも薄い印象でハマるかんじのものではないです。
軽い読書には最適かと思います。

2011/07/22

[Review] Golden

Golden
Jennifer Lynn Barnes

::本の紹介::

翻訳版タイトル
『オーラが見える転校生』
(ジェニファー・リン・バーンズ)

Jennifer Lynn BarnesのYA学園モノ。

凄まじくわかりやすい人気者グループ(ゴールデン)とそうじゃない負け組大勢(ノン(ノンゴールデンという意味))っていうグループが出来上がってる学園での話。

アメリカの学校ってどこでもこうなわけ?ってなるヤツの目に見えてよくわかりやくしたかんじの世界観です。

この本が他と違うところは、主人公が人のオーラを見ることのできる超能力の持ち主で、人気者グループになりたくて恋愛に悩み四苦八苦するわけではなく、悪と戦うというファンタジー作品なところ。
なので、翻訳の方のキャッチが『オーラが見える力で恋もうまくいく!?』みたいに押し出してますが、悪と戦うのがメインなので、恋愛はそれほど前面に押し出してるものではないので、恋愛ものを期待してる人にはあまりオススメできません。無いわけではないんだけど。

ずっと最初から最後に至るまでオーラについての細かい描写があるので、自分もそれが見えてるような気になってきておもしろかったです。

翻訳のみ読んで原作との比較をしてないので、原作とこの翻訳版どれだけ近い作品なのかわかりませんが、話の流れが突然すぎる部分があって(え、そこは問題なくスルーできるわけ?とかいう部分がちらほら)そこが少し気になった点でした。
続編を書くならばそれでよかったんだと思うけれど。そうしたら引っ越す前の友達たちのことは別に登場しなくてもよかったんじゃないかとすらちょっと思ったりして。

ただ、この本を書いたときの著者が10代だったというのを知れば、ビックリします。

[Review] Wicked Lovely

Wicked Lovely
Melissa Marr

翻訳版タイトル
『妖精の女王』
(メリッサ・マール)
前々から気になってた本『Wicked Lovely』。 
しかし、原作読んだわけではなく、翻訳版の『妖精の女王』を読んだんだけど。 

他の翻訳YAモノより、サイズが文庫本で小さく、文字もギッシリ詰まっています。 

妖精モノのロマンスものYA(ヤングアダルト)。 

だから、Twilightとかその手のヴァンパイアじゃなくて妖精バージョンのパラノーマルロマンスものを想像して読み始めたんだけど、 
予想とは違って、作品の世界観を前面に押し出した、ロマンスものだけどそこに焦点を絞って定めたっていうわけじゃなく当てたってかんじの作品なのが判明。 
一筋縄ではいかないかんじがあったよ。 

とてもよかった。 
この作品の世界設定と、登場人物の容姿設定というか、キャラクター設定が、個人的に凄く好みだったから、さらに気に入っていい評価の作品だったよ。 

というのも、 
舞台が妖精の世界と人間の世界で、 
一時期妖精に関する本を読みあさっていた時期があって、無駄に知識が付いてるというのもあってか、凄い想像しやすくてのめり込んでしまったんだよね。 
まさに、妖精の世界なの。しかも深みがあってファンタジーってかんじ。 
大抵の人が『妖精』って聞くとティンカーベルみたいな妖精を想像する人が多いんだけど、そういうのはほんの一握りで、もっと不気味で気味悪くて不細工なのが多いのね。もしくは、絶世の美男美女で人間を惑わして悪いことするとかそういう迷惑なのだったり。中には、見たら生きて帰れないっていうようなその辺のバケモノより怖いのとか多いんだよ。 
日本の妖怪に近い感じの生き物だから、イメージしやすい人は多いと思うけど。 
そして、妖精には沢山の種類があり、沢山の言い伝えや伝説があるんだけど、よく神話を元にした作品とかで神話を知ってるからオチがわかるとか、そういう感覚ってあるけど、この作品は知識もって知っていても、それを楽しむことができるっていうところまで持って来てる作品で、予備知識あった方が楽しめるんじゃないかって思ったくらいの作品だったのね。 
妖精だけじゃなくケルト神話だったりイギリスオタクなところがあるからか、情景が容易に浮かんで来るみたいだったし(笑) 

各章の冒頭に、妖精に関する伝説などの本の一節の引用が用いられていて、中には見覚えのある著者の名前があったり。その実際の妖精の伝承の世界と、この作品の世界がマッチしていて、その昔の伝承の世界が現代にもあって進行してる感じがしてとても面白く感じたよ。 

ほとんどの伝承の引用が英国人のものによるもので、アメリカ大陸に英国人が到達するよりも大昔から妖精伝説っていうのは言い伝えられていたものだから、この作品の舞台がアメリカっていうのに奇妙な感覚を覚えたのは確か。 
作中もコーヒーじゃなく紅茶ばかり登場するのも手伝って、アメリカが舞台の作品ではなくて英国が舞台の作品なんじゃないかって何度も思ったほど。 
アメリカを舞台にすべきじゃなかったかも。 

そしてそして、大抵いつでもどこでも、本を読んでても映画を見てても半分くらいの作品で思うのは、アタシのタイプと世間一般のタイプのギャップ。 
ブロンドの筋肉質なブラッドピットタイプな正統派イケメンに、どうも惹かれないし(笑)ティーンにキャーキャー言われてるロバートパティンソンは、全くどこがいいのか理解できなかったり。ディカプリオそんなにいいか?だとか。 
そしてそういう人物像のハンサムガイが出て来る小説も多くて。 
そして、大体ロックっぽかったりゴスっぽかったりする男っていうのは『カッコイイ』からなぜか遠ざかった設定になってる作品が多くて、その手の方が好みのアタシには、「うーん」って思いながら読んでたりすることもしばしば。 
で、今回はだよ。 
来たよ!来たよ!! 
タイプストライク!!な男が!(笑) 
主人公アッシュリンのボーイフレンドのセスが、黒髪で細身マッチョで、顔やへそやらにボディーピアスしてて黒いマニキュアしてて、チョーハンサムで、彼女のためなら火の中水の中タイプっていう設定。 
アタシの好みどんぴしゃりすぎてビックリ(笑) 
しかも、そういうのが好みだから想像しやすいし、流れてる曲もリンプの何だとかGosdmackの何だとか書かれてたらどんな曲かわかるし。 
読んでる最中セス大好きでした。最後まで中身も外身も男前すぎるし。 


そんな、アタシの得意分野に特化した作品だったのもあって、すごい面白かったです。 
だから、他の人が読んだら印象が違うかもしれないけど。 

ただ、話の展開が予想通りに進んで裏切らなかった作品ではあったかも。 
でも、裏切って欲しくなかったから、いいんだけどね。 

そして、このまま続編に続くのかと思えば、続編の主人公が違うというのを知ってちょっと衝撃。 
セスは!?(そこか。) 

って思って今、続編見てみたら、あらセス!(笑) 
そして、わ~やっぱり、アタシの想像通りの展開なのね。 
でも、いいわ。最後まで読もう。セスが奮闘するならば(目的はセスだけ?笑) 

映画化権はすでに取られていて、 
映画化されると噂が強い作品。 
これは、是非とも映画化して欲しい。凄い見たいわ。 


妖精伝説、ケルト神話、そしてロマンスものYA好きな人、オススメです。